人は駒得のみに生くるにあらず その14

早速ひよこ将棋v.0.08をfloodgateに投入したところ、いきなりひよこ将棋は切れ負け(時間切れ)しました。

原因は簡単で、置換表を実装したため、iteration(←反復深化のこと)の最初のほうは、置換表にヒットし、短い思考時間で終わるため、それを基準にiteration回数を決めると1手に要する時間があまりにもオーダーが違ってしまいます。

あと、千日手模様にされると、前回の最善手が置換表にヒットしてしまい、そこより1回多くiterationを回そうとして、同一局面3回目には2回多くのiteraionをして、元の100倍ぐらいの探索時間が必要になります。とんでもないです。

ともかく、思考時間に割り当てる時間を少し減らしておきました。


その次のQoopar(R1715)戦は、ひよこ将棋v.0.08が勝ちました。
よくこんな将棋、耐えて耐えて、勝てるものだなぁと感心します。


http://wdoor.c.u-tokyo.ac.jp/shogi/view/2011/10/22/wdoor+floodgate-900-0+Qoopar+hiyoko_shogi_v0.08a_1t1c+20111022213006.csa


この将棋、ひよこ将棋側は枝刈りの性能がすこぶる悪いので、8手目で探索局面数1億局面を突破して、1億400万手も読んでいます。



「コンピューター将棋が1億手読むなら(そのコンピューターに勝つ自分は)1億と3手読む(のに相当する)」と言ったプロ棋士の先生がいらっしゃいましたが、1億と4百万手読んでもこの弱さというのを知ったほうがいいと思います。

それはそうと、ひよこ将棋を動かしているマシンは古いサーバー機でシングルスレッドで動かしているので、最新の12コアマシンであれば20秒程度で10億局面ぐらいは十分読めるということですね。(評価関数が駒得だけならの話ですが。)