ひよこカルロ将棋neoの並列化対応について

ひよこカルロ将棋neoのマルチコア対応はほぼ出来ました。一晩デバッグのために走らせてみて、問題がないようでしたらfloodgateに投入したいと思います。

あと、クラスター化対応のほうは、後回しにします。

これはもっと学術的に真面目に研究すべき課題で、いい加減な実装だとわずかにすらソフトの棋力は上がらないと私が判断したためです。

棋力が上がらない理由は通信のlatencyが大きすぎて、短い持ち時間ですと、読み筋を交換するだけで終わってしまうというのが問題点でして、逆に言えば少ないPC(4台ぐらい)で少ない持ち時間(15分切れ負け)ならば、読み筋をそんなにこまめに交換しないほうが得策です。

「じゃあ合議か?」と言われると「それは違う!」と私は思っており、合議にするぐらいならば、それぞれのPCがそれぞれ違う部分を探索して、最後に意味のあったノードの情報だけまとめてメインPCに送り、メインPCがもう一度最後のiteration深さと同じ深さでiterationを回して情報を統合、みたいなモデルのほうがまだマシではないかと思うのです。

では「それぞれのPCがそれぞれ違う部分を探索」っていうのは具体的にどうするのかという話なのですが、読み筋を交換せずに全く違う部分を探索することは不可能ですが、主に探索する部分を変えてやることは出来ます。

(中略)

それで、そのための準備とかがいろいろ大変でして、これを真面目にやっていたら私は2,3ヶ月ぐらい何も出来そうにありません。これに関して成果が出れば論文かGPW等で発表したいとは思っていますが、いまやるべきことではないので後回しにして、まずはひよこカルロ将棋neoをgps_lと互角ぐらいまでのところに持っていくほうが先決です。

トップ付近のソフトがR50でも伸ばすインパクトは計り知れませんが(たとえばBonanzaに対して勝率6割とか言うと凄そうに聞こえます)、R2000にも満たないソフトがR50伸びたところで「それって誤差じゃないのか」とか言われかねません。

ともかく、ひよこカルロ将棋neoは明日か明後日で早くも最終版となります。
ひよこカルロ将棋が鶏カルロ将棋になる日が来るのでしょうか。乞うご期待!!