角不成を生成するかどうか

たまに、プロの将棋でも角を敵陣から不成で引いてきて、打ち歩詰めだから詰まない、みたいな将棋が出てくることがあります。

コンピューター将棋で角不成(or 歩不成 etc..)を読まないといけないものなのでしょうか。

確かに途中の局面から開始した場合は、角不成が指し手として生成できていなければ負けということはあるでしょう。また、詰将棋で受け方の角不成を読んでいないがために詰みを誤るということもあるかも知れません。

しかし実戦で、角不成が読めないがために負けることってどれくらいあるのでしょうか。

そもそも打ち歩詰め自体がコンピューター将棋ですとあまり出てこない印象があります。打ち歩詰めになる局面というのは、攻め駒(利き)が多すぎるので打ち歩詰めになるわけですが、コンピューター将棋は20〜30手ぐらいの詰みでも一瞬(?)で見つけますので、攻め駒が多すぎる = 優勢 になっているなら、そんな局面に出くわす前に勝ちになる変化を見つけることが出来そうなもんです。

もしかしたら将棋の神様がいたら「角不成なんか指してるようじゃまだまだじゃの」と言うのかも知れません。

それとも、コンピューター将棋同士の対戦でも水面下では角不成で勝ちの変化が出てきているけど人間が気づいていないだけなのでしょうか。

このへん私にはよくわかりません。

Bonanzaでは通常探索時には角不成を生成していなかったと思うのですが、角不成などを生成すると勝率が落ちると聞いたことがあります。確かに実戦では何百局に1回あるかないかで、さらに角不成が読めてなくともそういう将棋は他の手で勝てることがほとんどでしょうから、余計な手を読む分の労力に見合わないのかも知れません。

しかし、今後、コンピューター将棋が強くなって、対人間の勝率が99.9%ぐらいになってきたときにはまた話が違ってくるのでしょうか。角不成が読めないことで負ける将棋が0.1%でもありますと、勝率が99.9%から99.8%に変わります。人間側から見ますと勝率0.1%と0.2%とでは2倍も違います。

もしかしたら、そうやってコンピューター将棋の勝率を限りなく100%に近づけていくための研究をしていかなければならない時代がそろそろ来るのではないでしょうか。

週刊ひよこ将棋は新稲庭戦法の使い手

Sunfishの作者さんが次のようなにツイートされていて、何のことかなーと思っていたのですがようやく意味がわかりました。

https://twitter.com/#!/RyosukeKubo/status/140671401634971649

私も自己対戦で自分の書いた稲庭対策ルーチンが発動していておかしいなぁと思って確認したら次のような局面でした。

これって2筋から8筋の歩を突いていないので機械的に判定させると稲庭っぽく見えるんですね。Bonanzaの稲庭判定でもこれは稲庭だと判定されますね。それでいて後手はここからの反撃は十分可能な布陣なので先手が調子に乗って桂馬をぽんぽん跳ねると瞬く間に敗勢に陥るという…。

この陣形、Bonanzaには有効かも知れないです。稲庭っぽく見える陣形でしかもカウンターを十分狙えるという意味でこの陣形を「新稲庭戦法」と名づけました。